美郷町北郷「備長炭製炭」♪県の無形民俗文化財に指定された伝統の炭づくり・アラカシを使い、昭和初期は町内に500基あまりの炭窯があった【見どころ・文化財】

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北郷の備長炭製炭周辺の空中写真(国土地理院)
アイキャッチ画像: 国土地理院 シームレス空中写真を加工して作成

宮崎県美郷町の北郷地区に受け継がれる「美郷町備長炭製炭技術保存会の備長炭製炭」♪ 美郷町のホームページによると、令和3年(2021年)に宮崎県の無形民俗文化財に指定されました。

ウバメガシの自生しない宮崎で、身近な「アラカシ」を使って炭を焼いてきた技術です。この記事は文化財の紹介で、見学施設ではありません。

この記事のポイント

  • 令和3年(2021年)に宮崎県の無形民俗文化財に指定
  • ウバメガシの代わりにアラカシを使い、炭窯は昭和初期に町内で508基
  • 見学の案内は公式資料にないため、町教育委員会へ問い合わせ

見どころ・楽しみ方

町の資料「備長炭製炭の県指定について」によると、備長炭製炭の特徴は次のとおりです。

  • アラカシを使う製炭:備長炭は紀州(和歌山県)や土佐(高知県)が有名で、その理由には、材料に向くウバメガシが自生することもあると説明されています。宮崎県にはウバメガシが自生しないため、まわりにたくさんある「アラカシ」を活用し、燃料資源や大切な現金収入源として炭を焼いてきました
  • 高い品質:織豊時代には大阪でも貴重に扱われたと文献に残り、品質の高さは折り紙つきとされています
  • 最盛期の窯の数:もっとも盛んだった昭和初期には、炭窯が南郷181基・北郷174基・西郷153基(合計508基)あり、出荷量は日向地域の50パーセント以上を占めたと記されています
  • 小窯で受け継ぐ:拡大造林政策で形が大きく変わったあとも、北郷地区は「小窯」という設備を導入するなどして、製炭の文化を受け継ぎました
  • 和食を支える炭:のちにユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」を支える存在として注目を集め、高値で取引されているとされています
  • 1,200度で焚く:資料には、窯出しの様子と、1,200度で焚かれる備長炭の写真が載っています

季節ごとの楽しみ方

製炭の季節や作業の時期は、公式資料に書かれていません。炭づくりの地・北郷の行事を紹介します。

  • 旧暦1月24日を中日とする3日間:宇納間地蔵大祭(観光協会の公式ページ)
  • 7月:直売所「手づくり屋 北の郷」の「ほおずき祭り」(下の関連記事)
  • 8月第1土曜:うなま地蔵夏まつり(観光協会。別の記事で紹介しています)
  • 11月:「手づくり屋 北の郷」の「新米祭り」(下の関連記事)

知っておきたい豆知識

  • 指定までの歩み:町の資料「備長炭製炭の県指定について」によると、平成26年(2014年)11月24日に保存会が結成され、町教育委員会と文化財保護調査委員会が文化財調査を始めました。平成27年(2015年)9月1日に町の無形文化財、令和3年(2021年)に県の無形民俗文化財に指定されました
  • 県指定の順番:美郷町のホームページによると、県内で指定された無形民俗文化財は28件で、備長炭製炭は29番目です。2月15日の県の定例教育委員会議で承認されました
  • 指定日の表記:町の「指定文化財一覧」には令和3年2月25日、県指定の経緯の資料には令和3年3月とあります。どちらも令和3年(2021年)の指定です
  • 森を守る炭づくり:資料によると、調査委員会は技術に加えて、約30年ごとにカシを伐採することで自然林が守られ、保水力の高い森が育ち、栄養豊富な川が海へ流れ込む「自然輪廻」の形成に注目しました
  • 町の指定文化財:美郷町の指定文化財は、国2件・県10件・町80件です(町の指定文化財一覧)

よくある質問

備長炭製炭の見学や体験はできますか?

公式資料には、見学や体験の案内が載っていません。製炭の窯は見学施設として案内されていないため、現地へ行く前に町教育委員会(0982-66-3608)へ相談してください。

いつ文化財に指定されましたか?

町の無形文化財は平成27年(2015年)9月1日、県の無形民俗文化財は令和3年(2021年)です。

なぜアラカシを使うのですか?

備長炭の材料に向くウバメガシが宮崎県には自生しないため、まわりにたくさんあるアラカシを使ってきたと説明されています。

どこで行われていますか?

県指定の名称は「美郷町備長炭製炭技術保存会の備長炭製炭」で、指定一覧では北郷の文化財として載っています。

こんな人におすすめ

  • 宮崎県の伝統的な暮らしや産業に関心のある方
  • 和食を支える備長炭が、どこで育まれているかを知りたい方
  • 北郷の地蔵尊めぐりや直売所めぐりとあわせて、地域の文化にふれたい方

基本情報

名称美郷町備長炭製炭技術保存会の備長炭製炭
種別・指定宮崎県指定 無形民俗文化財(令和3年)/美郷町指定 無形文化財(平成27年9月1日)
地区美郷町北郷
保存会の結成平成26年(2014年)11月24日
材料アラカシ
最盛期の炭窯昭和初期に南郷181基・北郷174基・西郷153基
問い合わせ美郷町教育委員会 0982-66-3608

※2026年10月時点の美郷町のホームページと町の資料「備長炭製炭の県指定について」の記載をもとにしています。見学や体験の可否は公式資料にないため、事前に問い合わせてください。

アクセス

  • 場所:北郷地区です。製炭の窯は見学施設として案内されておらず、公式資料に所在地は載っていません
  • 周辺:北郷宇納間には宇納間地蔵尊、地蔵の里、手づくり屋 北の郷があります
  • 公共交通機関:公式情報には、案内がありません

地図

下の地図は、北郷宇納間(地蔵の里付近)の位置です。炭窯の場所ではありません。

まとめ

北郷の備長炭製炭は、ウバメガシのない宮崎で、アラカシを使って磨かれてきた伝統の技です。見学の案内はありませんが、北郷の地蔵尊や直売所を訪ねる旅の途中で、文化財としての背景を知っておくと、より深く楽しめますよ♪

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北郷の備長炭製炭周辺の空中写真(国土地理院)

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