宮崎県西臼杵郡高千穂町に伝わる「高千穂の夜神楽(よかぐら)」♪ 里ごとに氏神様を神楽宿(かぐらやど)にお迎えし、夜を徹して三十三番の神楽を舞い明かす神事で、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて町内約二十の集落で奉納されます。昭和53年(1978年)に国の重要無形民俗文化財に指定されています。
【お出かけ前にご確認ください】夜神楽は集落ごとに日程が異なり、会場となる神楽宿も毎年変わります。2026年10月5日時点で、高千穂町観光協会の夜神楽日程表のページに掲載されているのは令和7年度(2025年10月30日現在)の日程です。今シーズンの日程は、観光協会や高千穂町のページで公表され次第ご確認ください。
里ごとの神楽宿で、夜を徹して三十三番を舞う
夜神楽は、里ごとに氏神様を「神楽宿」と呼ばれる民家や公民館にお招きし、夜を徹して三十三番の神楽を奉納する、昔から受け継がれてきた神事です。例祭日は集落によって異なり、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内約二十の集落で行われます。
当日は、午後2時頃の宮神楽、道行き神楽(御神幸)、舞入れ、御神屋始めに始まり、夜を徹して三十三番を舞い明かします。ただし、地区によって時間や舞の順番は多少変わります。

「高千穂の夜神楽」は平安末期から鎌倉時代にかけて成立したといわれ、江戸時代の末頃までは高千穂神社の神職を中心に伝承・奉納されていたと考えられています。その後、三十三番に整えられ、集落ごとに伝承されるようになり、代々誇りをもって受け継がれてきました。
見どころ1 天照大神をはじめ、日本神話の神々が総出演
各集落の夜神楽には、天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめ、日本の神話や伝説に登場する神々が総出演します。高千穂の里人が祀る神様の中心は、荒神様と呼ばれる山の神と、五穀豊穣をもたらす水源の神です。その神は山から降臨し、里人とともに舞い遊び、別れを惜しんで帰っていく神であり、里人を守護する神でもあると紹介されています。
見どころ2 集落ごとに違う舞と、重要な「よど七番」
各集落では、舞う順番が前後したり、題目が変わったり、舞いものが異なったりします。同じ夜神楽でも違った趣があり、いくつかの夜神楽を見比べるのもまた面白さのひとつです。
一番から七番までを「よど七番(よどななばん)」と呼び、普通にはこの七番で願成就となります。神々が天孫降臨の場を固めて国造りをしたことを表しており、中でも、神降(かみおろし)・鎮守(ちんじゅ)・杉登(すぎのぼり)の三つを指す「式三番」は一番重要で、必ず舞われます。よど七番が終わった後も、安産祈願の舞、厄難を払う舞、豊作を祈る舞など、さまざまな舞が続きます。

見どころ3 夜明けの山場「岩戸五番」
夜明け頃に行われる「岩戸五番(いわとごばん)」(里によっては六〜七番あることもあります)は、夜神楽の中でも大変人気のある舞です。天照大神が天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまったとき、岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が調子面白く舞ったことで神々が大笑いし、不審に思った天照大神が姿を現したという日本神話が題材になっています。天岩戸神話ゆかりの地は、高千穂町「天岩戸神社・天安河原」でも紹介しています。

三十三番の演目
高千穂町観光協会が紹介している三十三番の演目は次のとおりです(順番は集落により違います)。
彦舞(ひこまい)/太殿(たいどの)/神降(かみおろし)/鎮守(ちんじゅ)/杉登(すぎのぼり)/地固(ぢかため)/幣神添(ひかんぜ)/武智(ぶち)/太刀神添(たちかんぜ)/弓正護(ゆみしょうご)/沖逢(おきへ)/岩潜(いわくぐり)/地割(ぢわり)/山森(やまもり)/袖花(そでばな)/本花(ほんばな)/五穀(ごこく)/七貴神(しちきじん)/八つ鉢(やつばち)/御神体(ごしんたい)/住吉(すみよし)/伊勢神楽(いせかぐら)/柴引(しばひき)/手力雄(たぢからお)/鈿女(うずめ)/戸取(ととり)/舞開(まいひらき)/日の前(ひのまえ)/大神(だいじん)/御柴(おんしば)/注連口(しめぐち)/繰下し(くりおろし)/雲下し(くもおろし)
夜神楽を見に行くには
- 日程:毎年10月頃に決まり、高千穂町観光協会のホームページに掲載されます。掲載されるのは公表を希望した集落のみで、日程が決まっていない集落は決定次第、順次追加されます。場所や日程のお問い合わせは、2週間ほど前にすると確実とされています
- 令和7年度の日程表:2025年11月15日(土)から2026年2月7日(土)までの日程が、各地区の公民館や個人宅などの神楽宿とともに掲載されていました。日程表には、神楽宿の高千穂町役場からの距離や駐車台数も載っています
- 鑑賞の心得:日程と場所を事前に確認し、寒さ対策の防寒具や飲み物・軽食を持参すると安心です。夜神楽の見物は自由ですが、神事参列の礼儀として「御神前」を受付に納めましょう
近年は「村まつり」に参加する観光客も増え、交流として「ふるまい」をする集落も増えています。ふるまいは、年に一度降臨される神々と里人が飲食を共にして神人一体となる直会(なおらい)の儀式で、カッポ酒や焼酎、煮物などが振る舞われることがあります。これは神事儀礼の一環で、村それぞれの考えで行われています。初穂料やご神前は、神様や「ほしゃどん」、神楽宿への感謝の気持ちをあらわすもので、ふるまいの食事代という意味ではないとされています。
「高千穂神楽」と「神話の高千穂夜神楽まつり」
夜神楽のシーズン以外にも楽しめるのが、高千穂神社の神楽殿で毎晩奉納される「高千穂神楽」です。三十三番のなかから「手力雄の舞」「鈿女の舞」「戸取の舞」「御神体の舞」の代表的な4番を、20:00から21:00までの1時間で公開しています。観光協会の案内(2026年10月時点)では、拝観料は1人1,000円(小学生まで無料)、12月31日と1月1日は休演です。予約方法などの詳細は高千穂町「高千穂神社」で紹介しています。
年に一度、夜神楽三十三番のすべてを2日間かけて奉納するのが「神話の高千穂夜神楽まつり」です。令和8年(2026年)は11月22日(前夜祭 18:00〜22:30頃)と23日(本祭 10:00〜23:30頃)に高千穂神社の神楽殿で開催されます。入場無料で出入り自由、終了時刻は当日の状況により前後することがあります。この2日間は、通常の高千穂神楽(20:00〜21:00)はお休みです。
天岩戸神社でも、夜神楽シーズンの幕開けとなる「天岩戸夜神楽三十三番大公開祭り」が2026年11月3日(火)に行われると、天岩戸神社の公式サイトで案内されています。
あわせて知りたい県北の神楽
宮崎県北の山あいでは、高千穂町のほかにも神楽が受け継がれています。諸塚村の夜神楽は諸塚村「諸塚神楽」、椎葉村の神楽は椎葉村「椎葉民俗芸能博物館」で紹介しています。集落ごとに舞の特徴が違うので、比べてみるのもおすすめです。
基本情報
| 名称 | 高千穂の夜神楽(たかちほのよかぐら) |
|---|---|
| 指定 | 国指定重要無形民俗文化財(昭和53年(1978年)指定) |
| 開催時期 | 毎年11月中旬〜翌年2月上旬(例祭日は集落ごとに異なります) |
| 開催場所 | 町内約二十の集落の神楽宿(民家・公民館など)。場所は毎年変わります |
| 見学 | 見物は自由。神事参列の礼儀として「御神前」を受付に納めます |
| 日程の確認 | 例年10月頃に決まり、高千穂町観光協会の夜神楽日程表に掲載 |
| お問い合わせ | 高千穂町観光協会 0982-73-1213(毎晩奉納の高千穂神楽について・休日祝祭日も可)/高千穂町企画観光課 0982-73-1212(夜神楽日程表について)/高千穂町観光協会 0982-73-1800(宿泊関係) |
※2026年10月5日時点の高千穂町観光協会の公式サイト(高千穂の夜神楽・夜神楽日程表・高千穂神楽のご案内・神話の高千穂夜神楽まつりのお知らせ)の記載をもとにしています。日程・会場・料金は変わることがあるため、最新の情報は観光協会でご確認ください。
アクセス
- 夜神楽:神楽宿は集落ごと、年ごとに異なります。日程表で公民館名・神社名と駐車台数を確認し、不明な点は高千穂町観光協会(0982-73-1213)へお問い合わせください
- 高千穂神楽・神話の高千穂夜神楽まつりの会場:高千穂神社の神楽殿(アクセスは高千穂町「高千穂神社」をご覧ください)
- あわせて立ち寄り:高千穂神社、天岩戸神社・天安河原、歴史民俗資料館(夜神楽の開演待ちの時間に)など
地図
高千穂町のおすすめスポット
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こんな人におすすめ
- 国指定重要無形民俗文化財の神楽を、地元の里で体験してみたい方
- 天岩戸神話の世界を、舞で味わいたい方
- 冬の高千穂で、集落に受け継がれてきた祭りに触れたい方
- 毎晩の高千穂神楽と、集落の夜神楽を見比べてみたい方
まとめ
高千穂の夜神楽は、里の神様を迎えて三十三番を夜通し舞い明かす、国指定重要無形民俗文化財の神事です。集落ごとに日程も舞の順番も異なるため、まずは観光協会の日程表で今シーズンの予定を確認してみてください。夜神楽の季節に合わなくても、毎晩の高千穂神楽や、11月22日・23日の「神話の高千穂夜神楽まつり」で、その魅力に触れられます♪


