宮崎県椎葉村に伝わる「年中行事」♪ 焼畑や狩猟といった山の暮らしと結びついた、独自の正月行事や春祭りがあります。椎葉村観光協会の「年中行事」のページをもとに、メージョウ・鬼火焚き・もぐらうち・的射を紹介します。
この記事のポイント
- 正月14日のコドシに、焼畑の雑穀を吊るす餅花「メージョウ」を作る
- 正月6〜7日の鬼火焚きや、子どもたちのもぐらうちも伝わる
- 春祭りの「的射」は、一年の災厄を避ける奉射神事
見どころ・楽しみ方

椎葉の正月行事
観光協会のページによると、新春の儀礼は大晦日から始まります。各家で門松を立て、屋内にも注連縄を張って正月飾りを整え、山の神・火の神・水神・荒神などに御幣を捧げます。
元旦には、家の主が家族の誰よりも早く起きて若水を汲みに出かけます。このとき、寝室の戸を開けるときや着物に袖を通すときの呪文を唱えるそうです。
コドシとメージョウ(餅花)
正月14日は、小正月の前日にあたり「コドシ」と呼ばれます。この日にメージョウ(餅花)が作られます。
- 柳の枝に、稗餅や粟餅のほか、稗や粟そのものも吊り下げます
- 焼畑で栽培される作物が豊作になるように祈る行事です
- 小正月に餅花を飾る習慣は全国にありますが、椎葉では焼畑の雑穀の民俗が生きている、と紹介されています
また、猟師の家では、この日に猪が捕れると、家の前に猪を吊り下げて「シシツリ」と呼び、メージョウを飾って祝う習慣があります。椎葉ならではの小正月の行事です。
鬼火焚き
正月6日を「ムイカ」「モロメギ」といい、譲り葉で飾った場所に、モロメギ(いぬがや)の葉と、ダラ(たら)の枝を二つに割ったものを付けます。
- 7日の早朝から夕方にかけて、モロメギとダラを外し、竹と一緒に燃やします。これが鬼火焚きです
- モロメギは鬼の眉、ダラは金棒と伝えられ、悪魔祓いとして燃やされます
- 川の口という地区では、7日に「蘇民将来大福長者子孫不老門」と書いた護符を柱に貼ったそうです
もぐらうち
正月14日のコドシの晩に、子どもたちが行う行事です。田畑からモグラを追い出す行事と説明されますが、本来は土地を叩いて大地の霊を鎮め、収穫がより豊かになるように願う行事だと紹介されています。
- 九州では「もぐらうち」と呼ぶのが一般的で、ほかの地方では「鳥追い」と呼ぶところが多いそうです
- 土地を叩く棒は「ホテ」。材料は地区で違い、不土野地区はフジカズラ、尾手納地区はフジカズラにワラを巻き付けたもの、松尾地区はワラです
春祭りの「的射」
椎葉では、春祭りとして「的射(まとい)」が行われます。的射は奉射神事のことで、一年間の災厄を避けるために行われます。
- 正月から春にかけて全国で奉射神事が行われますが、椎葉の的射には「神の的」という特殊な的が作られるのが特徴です
- 矢を的に射る儀式は、地区ごとに違います
- 神の的の儀式のあとは、村人全員が、複雑な作法や口上が飛び交う中で的射を楽しみます。春節や的射節も、このときに歌われます
季節ごとの楽しみ方
- 大晦日〜元旦:門松・注連縄・御幣、そして若水汲み
- 正月6〜7日:ムイカから鬼火焚きへ
- 正月14日(コドシ):メージョウづくり、猪のシシツリ、子どもたちのもぐらうち
- 春:春祭りの的射(地区ごとに行われます)
- 秋〜冬:椎葉平家まつりや椎葉神楽など、ほかの行事の季節です
※見学できる行事の日程や場所は、公式ページに一覧が見当たりません。村の暮らしの中の行事なので、見学を考えるときは、椎葉村観光協会(0982-67-3139)に確認しましょう。
知っておきたい豆知識
- コドシ:小正月の前日にあたる正月14日の呼び名です
- メージョウ:柳の枝に餅や稗・粟を吊るした餅花。焼畑の豊作を祈ります。焼畑については焼畑の記事へ
- モロメギとダラ:モロメギは「いぬがや」の葉、ダラは「たら」の枝。鬼火焚きでは鬼の眉と金棒に見立てられます
- もぐらうちの棒「ホテ」:不土野はフジカズラ、尾手納はフジカズラにワラを巻き付けたもの、松尾はワラと、地区ごとに材質が違います
- 神の的:椎葉の的射の特徴は、「神の的」という特殊な的を作ることです
- 椎葉の民俗文化:観光協会の「椎葉村を知るエピソード」では、ひえつき節・狩猟・焼畑・神楽などの文化も紹介されています
よくある質問
旅行者も見学できますか?
観光協会の「年中行事」のページは行事の紹介で、見学できるかどうかや日程は書かれていません。見学を考えるときは、観光協会に問い合わせましょう。
メージョウとは何ですか?
正月14日のコドシに作られる餅花です。柳の枝に稗餅や粟餅、稗や粟を吊り下げ、焼畑の作物が豊作になるように祈ります。
もぐらうちと鳥追いは違うものですか?
観光協会のページによると、九州では「もぐらうち」と呼ぶのが一般的で、ほかの地方では「鳥追い」と呼ぶところが多いそうです。同じ種類の小正月の行事とされています。
的射とはどんな行事ですか?
一年間の災厄を避けるために行われる奉射神事です。椎葉では春祭りとして行われ、「神の的」という特殊な的を作るのが特徴です。
こんな人におすすめ
- 椎葉の暮らしと結びついた、昔ながらの行事を知りたい方
- 焼畑や狩猟の文化が、正月行事にどう表れるかに興味がある方
- 椎葉神楽や臼太鼓踊りなど、村の民俗芸能とあわせて学びたい方
基本情報
| 名称 | 椎葉村の年中行事(正月行事・春祭り「的射」など) |
|---|---|
| 大晦日〜元旦 | 門松・注連縄・御幣、若水汲み |
| 正月6〜7日 | 鬼火焚き(ムイカ・モロメギ) |
| 正月14日(コドシ) | メージョウ(餅花)づくり、シシツリ、もぐらうち |
| 春 | 春祭り「的射」(地区ごとに行われます) |
| 問い合わせ | 椎葉村観光協会 0982-67-3139 |
| 公式サイト | https://www.shiibakanko.jp/history/history9 |
※2026年10月時点の椎葉村観光協会のページの記載をもとにしています。行事のやり方や日程は地区や年によって変わることがあります。
アクセス
- 椎葉村まで:観光協会のアクセスのページによると、宮崎市から車で約3時間、高千穂町から約1時間10分、延岡市から約1時間45分、熊本市から約2時間15分、人吉市から約2時間20分
- 展示で学ぶ:椎葉民俗芸能博物館では、春の的射・秋の臼太鼓踊り・冬の神楽を、四季の暮らしとあわせて紹介しています。椎葉村役場から車で約3分・徒歩約10分です
- 行事の会場:地区ごとに行われ、場所の案内は公式ページに見当たりません。観光協会に確認しましょう
地図
下の地図は、行事の展示がある椎葉民俗芸能博物館付近です。
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まとめ
椎葉の年中行事には、焼畑や狩猟を営んできた山の暮らしの祈りが、今も息づいています。メージョウや鬼火焚き、的射の由来を知ってから村を歩くと、風景がいつもと違って見えてきますよ♪


