宮崎県東臼杵郡椎葉村大字不土野から登る「白鳥山(しらとりやま)・御池(みいけ)」♪ 標高1,639m、熊本県八代市・球磨郡水上村と椎葉村の境にそびえる九州百名山のひとつです。
山頂の手前に広がる御池は、一面が苔に覆われた幻想的な湿地帯。切り株も根も倒木もすべて苔にくるまれ、「まるでジブリの世界」と表現される風景が広がります。古くから村人に聖地として崇められてきた、椎葉らしい神秘のスポットです。
この記事のポイント
- 一面が苔に覆われた湿地帯「御池」。九州百名山のひとつ
- 登山口から御池まで徒歩約60分、山頂までさらに約30分
- 道に迷いやすく電波も届きにくい。装備と入山計画を

一面の苔に覆われた湿地帯「御池」— 村人が崇めた聖地
御池は白鳥山の山頂まであと30分ほどという位置にある湿地帯。木々も切り株も太い根も倒木も、すべてがもっこりとした苔に覆われ、木漏れ日が差し込むと言葉を失うほど幻想的な空気に包まれます。
倒木には幾重にもキノコが重なり、山頂付近には内側が空洞になり樹皮が渦を巻いた不思議な巨木が立ち並ぶという、独特の森の景観。
椎葉の村人からは古くから聖地として崇められ、「ここで雨乞いをすれば必ず雨が降った」と語り継がれてきました。
四季で表情が変わる森 — 春のヤマシャクヤク、冬の樹氷
白鳥山の魅力は季節ごとに大きく変わります。
- 春(4月下旬〜5月上旬):白鳥山から時雨岳へと続く縦走路に野生のヤマシャクヤクが咲き誇り、可憐な白い花が登山道を彩ります
- 夏:深い緑に包まれます
- 秋:白い幹肌とキノコが森を彩ります
- 冬(12月〜2月上旬):気温の低い晴れた朝に樹氷が見られます
一年を通じて何度も訪れたくなる山です。

平家落人伝説が息づく九州脊梁の山
白鳥山一帯は、九州本土の背骨にあたる九州脊梁(せきりょう)山地の中でも原生林が色濃く残るエリア。石灰岩地形に由来するすり鉢状のくぼ地(ドリーネ)が点在し、地形そのものが見どころになっています。
そしてこの山にも、椎葉村各地と同じく平家落人伝説が語り継がれています。鶴富屋敷や椎葉厳島神社の伝説とあわせて知っておくと、山歩きの時間がぐっと味わい深くなりますよ。
【同名の山にご注意】椎葉村観光協会によると、九州には「白鳥山」が2つあります。
- この記事の白鳥山:熊本県と宮崎県の県境にあり、苔や倒木が織りなす神秘的な世界が魅力の山
- もう1つ:鹿児島県と宮崎県の県境にあり、山頂から3つの火山湖を見下ろせる山
目的の山を間違えないように、登山口や地図をよく確認してからお出かけください。

基本情報
| 名称 | 白鳥山(しらとりやま)・御池(みいけ) |
|---|---|
| 標高 | 1,639m |
| 所在地 | 宮崎県東臼杵郡椎葉村大字不土野字向山日添(熊本県八代市・球磨郡水上村との境) |
| 登山口 | ぼんさん越(峰越登山口)に駐車 |
| コースタイム | 登山口から御池まで徒歩約60分、山頂までさらに約30分/山頂までの往復の目安 約3時間 |
| 距離・標高差 | 約5〜6km/上り約300〜400m |
| 難易度 | 初心者でも歩けるコースだが、道に迷いやすいため注意が必要 |
| 見どころの時期 | 春:ヤマシャクヤク(4月下旬〜5月上旬)/夏:深緑/秋:キノコと白い幹肌/冬:樹氷 |
| 指定 | 九州百名山 |
| お問い合わせ | 椎葉村観光協会 0982-67-3139 |
※登山道・林道の状況は変わることがあります。最新情報は椎葉村観光協会(白鳥山御池)でご確認ください。
アクセス
- 登山口:ぼんさん越(峰越登山口)/椎葉村大字不土野
- 椎葉村役場から車で約75分でぼんさん越 峰越登山口へ
- 登山口から徒歩約60分で御池、さらに約30分で白鳥山山頂
- 登山靴・雨具・地図・十分な水と行動食は必携。単独行や悪天候時は避けましょう
- 携帯電話の電波が届きにくいエリアです。入山計画は必ず家族などに共有を

地図
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開催時期や見頃の目安は、年中行事・イベントカレンダーでも確認できます。
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知っておきたい豆知識
白鳥山のある椎葉村は、2015年12月15日にイタリア・ローマの国連食糧農業機関(FAO)本部の会議で世界農業遺産に認定された「高千穂郷・椎葉山地域」の構成自治体です。
椎葉村公式サイトによると、宮崎県初、日本では6地域目の認定で、縄文時代から伝わる伝統的な焼畑農法を日本で唯一伝承していることなどが評価されました。
宮崎県が公開する指定文化財の一覧には、県指定無形民俗文化財の「椎葉の焼畑農耕」(平成28年2月18日指定)が、所在地「椎葉村向山日添地区」として載っています。白鳥山の所在地の表記にも、この「向山日添」の地名が含まれています。
農林水産省のサイトで公開されている世界農業遺産保全計画(第3期)は、この地域を、標高1,000〜1,700メートル級の山々に囲まれた険しい山間地と説明しています。
こんな人におすすめ
- 苔むした幻想的な湿地帯・森を歩いてみたい方
- 九州百名山巡りをしている登山愛好者
- ヤマシャクヤク(春)・樹氷(冬)など季節の自然を楽しみたい方
- 登山届・装備をしっかり準備できる方(道に迷いやすく電波も届きにくい)
まとめ
白鳥山・御池は、一面の苔に覆われた幻想的な湿地帯と、村人が聖地として崇めてきた雨乞いの伝承が息づく、九州百名山の名峰。
登山口から御池まで徒歩約60分と比較的歩きやすいコースですが、道に迷いやすいエリアなので装備と計画はしっかりと。春のヤマシャクヤク、冬の樹氷と、季節ごとの表情もぜひ味わってみてくださいね♪

